ニトロプラス制作「吸血殲鬼ヴェドゴニア」とあずまきよひこ著「あずまん
が大王」(発行・メディアワークス)を混ぜると大変危険です。
 以下の作品が良い症例かと(笑)


   えぴそーど21 『年齢』

 襲撃の打ち合わせの最中。ふと、惣太は何か思いついたようなようにモーラ
に話した。

「あ、そーいやそろそろモーラ、誕生日だよな」
「ええ、そうよ」

 そう言われたモーラはチョイと胸をはりながら、

「私もう十九歳になるの。少しお姉さんになりますよー」

 と、嬉しそうに話したり。
 そんなモーラを見ながら、微笑むフリッツと惣太。

「へぇ、十九歳かぁ」
「十九歳ねぇ」
「……」
「……」
「でも、もっと若く見えるよな」
「うん」
 

 当たり前です。
 

                         (投稿者:西山英志)


   えぴそーど22 『楽姫』

 学園祭まで、残り日数僅かという土曜日の午後。
 俺は、弥沙子と一緒にライブの準備に没頭していた。
 鏡子が、不幸にもアミノ酸光学異性体人間になってしまった今(嘘)、残るバ
ンドのメンバーは俺と弥沙子だけだった。
「白柳サン、ちょっと休憩しようか?」
 俺は気だるさを悟られないように気を付けながら、弥沙子に提案した。やは
り日中は頗る身体が重い。
「ねえ、伊藤君、今日はいい天気ね」
「えっ?」
 ギラッ!!
 弥沙子が手に持った大きな鏡で、日光を反射させたので俺は陽光を直視して
しまった。
「うわあああああぁぁぁぁぁぁぁ!! め、目がぁ!!」
 ピン……………ゴトッ。
 金属が擦れる甲高い音が聞こえ、その後、背後に何か重いものが床にぶつか
る音を感じた。
 ドグォォォォォォォォォォォォン!!
 背後からの爆風に、俺は吹き飛ばされる。
「う……うぐぐ…はこ…やなぎ……さ……」
 回復した目に映ったのは、白いフライングVを手にした弥沙子だった。
「白柳サン…まさか、俺が吸血鬼に齧られてヴァンピルズィージャになったっ
て疑ってる?」
「え? それは……あの…気のせい……」
 ギュイ―――――――――――ン!!(霊力を音波にしたチョーキング:笑)
「DEEEEEEEEEEEEEATTTTTTTTTTTTTH!!!!」
 うぎゃぴー。

「しくしく… ←(木陰から覗いている噛み主)」
 

                       (投稿者:無口の人さん)


   えぴそーど23 『遭遇』

 伊藤惣太は何とか人間に戻ろうと奮闘した。
 だがそんな惣太を嘲笑うかのように、吸血鬼化は進行の一途をたどっていく
のであった……。

惣太  「だけど……諦めずに前へ進めば、きっと光は見えてくるはずだ……」
フリッツ「それは無理な話だな」
惣太  「フ、フリッツ……。言葉を返すようだが……諦めるのは簡単だ。
     だが、それでは何も始まらない……」
フリッツ「もしお前がリァノーンを倒すことができれば、お前は人間に戻れる
    だろう……けど、それは無理な話なんだよ」
惣太  「リァノーン?」
フリッツ「燦月製薬にいるんだよ。ロードヴァンパイアが……。
     アイツがいる限り、日本は毎晩が吸血鬼のオリンピック状態だ」
惣太  「と、とにかくリァノーンと会ってみるよ……で、そいつはどんな吸
    血鬼なんだい?」
フリッツ「行けば……分かるよ……」
惣太  (行けば分かる……どういうことだ?)

 その晩、単身で燦月製薬の本社に潜入したヴェドゴニアを待っていたのは、
夥しいまでのキメラヴァンプの群れだった――

キメラヴァンプたち(ガンを飛ばしている)
惣太  (確かに此処は吸血鬼のたまり場だ……だが、どいつもこいつもキメ
    ラヴァンプばかり……ロードヴァンパイアなんていやしない……。
     俺も幾多の修羅場をくぐっているうちに、この程度の連中には怖さ
    を感じなくなっている)

 ヴェドゴニアは冷笑すら浮かべていた。

惣太  (今の俺なら全部を相手にしても勝てるだろう――時間の無駄だ。帰
    ろう。おそらくフリッツが何か勘違いをしていたのだろう――
     燦月製薬にリァノーンはいない!)



 ――振り返った惣太の目の前に立つ、弥沙子の服をピチピチに着込んだ、
ポニーテールのギーラッハ。
 (背後には、絶望的なまでに沈んだ表情のウピエルとナハツェーラ)




 

惣太  (いた……!
 

リァノーンつーかギーラッハ「来て下さったのですね。本当に……」
惣太  (――しかもCVは大塚明夫!?)
 

 男前過ぎだ。

 元ネタ 魁!!クロマティ高校
 

                    (投稿者:ジン・ジャザムさん)


   えぴそーど24 『空我』

 いよいよ最終決戦。
 手が震えるのは緊張のせいか。
 まあいい。これで、全てが終わる。

「……あなたには普通の高校生でいて欲しかった」
 モーラの声が震えていた。
「こんなところまであなたを巻き込みたくなかった。でも……結局巻き込んで
しまって…………」
 笑ってくれ、モーラ。君にそんな顔は似合わない。
「俺はよかったと思っているよ」
「…………惣太」
「……だって、モーラと会えたから」

「……俺も本当はお前を巻き込みたくはなかった」
「……フリッツ……」
 なんのかんの言っても、根はいい奴なのかもな。
「お前には最近流行りの「癒し系的日常、だけど特殊なキャラに振り回されな
がらも結局くっついちまうエロゲー主人公」でいて欲しかったぜ(ニヤソ)」
 …………リァノーンの前にお前を殺る…………。

 元ネタ 仮面ライダー クウガ
 

                     (投稿者:もりたとおるさん)


   えぴそーど25 『一句』

「寄るでない!!」
 ぐおおおおおお…
 リャノーンの念動力が、ギーラッハを押し留める。
「姫、なりませぬ。姫っ!」
 一歩、一歩、燃え盛る炎へと近づいていく美しきロードヴァンパイア。
「姫ぇぇぇ〜、姫ぇぇぇぇぇ〜」
 やめろ……リャノーン……
 俺も朦朧とした意識の中、必死でリャノーンに呼びかける。
 すると俺達の声に反応したのか、ちょっと恨めしそうにこっちを見る彼女。
 半分瞼が閉じ、怪訝な面持ちだ。

 焼き芋を
      ゆっくり食べて
              みたいナリ     リャノーン心の俳句。

「太りますぞっ! 姫っ!」
 あとで……困るぞ……リャノーン……

「お腹…すいたもん」
 

                       (投稿者:無口の人さん)


   えぴそーど26 『指導』

「最近指導係で新しいのが来たらしいぜ」
「ああ、えらい気合い入った指導する人らしいな」
「お、噂をすれば……」
「あれか? えらいちっちゃい人だな、小学生か?」
「でもやることすげえらしい」

「塵は!塵取りでっ! 灰は!灰皿にっ!」

 がしゅ!

「…………あいつ、死んでねーか?」
「ハンマーで頭割られてるからなあ……」
 

                     (投稿者:もりたとおるさん)


   えぴそーど27 『抱枕』

惣太  「何を…してるんだ、フリッツ?」
フリッツ「ああ…新しい得物が手に入ったぜ」
惣太  「こいつは…『さくらちゃん抱き枕』!? しかし、なんて大きさだ」
フリッツ「試しに持ってみろよ」
惣太  「――ぐっ! 重い…」
フリッツ「なにしろ、α−ゲルが詰まっているからな」
惣太  「衝撃を吸収するアレか?」
フリッツ「アレだ」
惣太  「……しかしこんなの誰が使うってんだ?」
フリッツ「人間には無理だろうなぁ(ニヤニヤ)」
惣太  「おいおい、まさか――」
モーラ 「――わたしからもお願いするわ」
惣太  「モーラ……」
モーラ 「なんならわたしの抱き枕カバーもサービスするわ」
惣&フ 「「なにぃっっっ!?」」
 

 ♪肌色をした枕抱いて
 ♪剥がれ落ちてく理性叫ぶ
 ♪表は服の 裏は『はにゃ〜ん』の
 ♪絵柄を見ては 引き寄せて泣いた〜
 ♪家族の眼差し 散り行く最後に思う
 ♪Away from my heart 恥よこの胸を
 ♪突き抜けて 等しい業の友へ
 ♪Away from my heart 気力の果てまで
 ♪ホットケーキミックスを焼いて食べれ〜
 

 ――次回、吸血殲鬼ヴェドゴニア『自爆』(<嘘)
 

                       (投稿者:無口の人さん)


   えぴそーど28 『銀鉄』

  その大柄の男は、分厚いコートを羽織り、紺の帽子を深く被っていた。
  真っ暗な影に覆われた顔の辺りに、赤い双眸が輝いている。
  ときどき立ち止まり、恨めしそうに天を仰ぎ見る時も、その影は晴れるこ
 とが無い。
  まるで、顔が闇そのもののようだ。
  明るい空間の中、男のいる周囲だけが不可思議な領域に蝕まれている。
  よろよろと歩くうちに、男の前に引き戸が現れた。
  その向こう側から、声が聞こえてくる。
  男と女。
  お客様・・・だ。
  うむ、とうなずいた男は引き戸を叩き開け、叫んだ!!
 
 
 

「次の停車駅はー、惑星『貧乳』〜『貧乳』〜!!
 停車時間は七十時間でーす」
 
 
 

     「銀河鉄道 B70 〜さらば常人の日々よ〜」
 
 
 

「ねえ、リァノーン」

  お子様座りをして窓の外を眺めながら、伊藤惣太が尋ねた。

「なあに、惣太?」

「次の『貧乳』って、どんな星なんだい?」

「惑星『貧乳』・・・そこは歪んだ男達の欲望が渦巻く、それはそれは恐ろし
い所・・・」

  遠い目でリァノーンが語り始める・・・。

「ショートカットでボブなつり目の猫娘、
 金髪&妖怪アンテナな子犬娘、
 赤毛でエプロンな熊娘や、緑髪のからくり娘、
 はたまた、ぱすてるで金髪おさげのしゅりしゅりハーフエルフとか、
 青髪の眼鏡猫などに魅せられた男達が闊歩する、魑魅魍魎の惑星なの。
 最近では、金髪ショートでシルバーハンマーな、ちみっちゃい娘のファンも
居ると聞くわ」

  リァノーン様、最後の所で拳を握り締めていらっしゃいます。

「でも、惣太は違うわよね」

「え。ぼ、ぼく?」

「惣太は永遠の吸血の身体を手に入れるんでしょう?」

「う・・・うん。
 ぼ、ぼくは小さい女の子なんて嫌いだよ!・・・だよ?」

「・・・辛くはない?」

「つ、辛くないよ! たぶん・・・」

「がまんしなくていいのよ」

「あ・・・う・・・」

  背後でガラス製の弥沙子が、ニヤリ。
 
 

以上。
 

                         (投稿者:AEさん)


   えぴそーど29 『宿敵』

 リァノーンを求めて走るヴェドゴニア。その前に、赤い甲冑をつけた騎士が
立ちふさがった。

ギーラッハ 「待ちかねたぞ、吸血殲鬼」
ヴェドゴニア「……」
ギーラッハ 「初見ではないが、言葉を交わすのは初めてだな」
ヴェドゴニア「……?」
ギーラッハ 「…もしかして、覚えていないのか?」
ヴェドゴニア「(こく)」
ギーラッハ 「ほら、燦月の施設で戦って、『次は本気でこい』って言っただ
      ろうが」
ヴェドゴニア「……??」
ギーラッハ 「覚えていない…覚えていないな」
ヴェドゴニア「(こく)」
ギーラッハ 「まあいい! とにかく宿敵なんだ! よろしくな!」

 なんとか自分の存在を認識させようと必死な、ギーラッハであった。
 

                     (投稿者:クロイツェルさん)


   えぴそーど30 『黄金』

モーラ「下がって」

 キメラヴァンプに止めを刺すべく、モーラは吸血を終えた惣太を下がらせた。
 そして…

モーラ「アーム・コネクトォ!」

 ガシーン!(棺が変形した巨大な右腕を装着した)

モーラ「ゴルディオン・スレッジハンマァーーー!!」

 ギシャアアン!(黄金に輝くスレッジハンマーを右腕に持った)

モーラ「ハンマァー・ヘルッ!!」

 ドスッ!(杭をキメラヴァンプに打ち込んだ)

モーラ「ハンマァー・ヘヴン!!」

 ズバアッ!(キメラヴァンプの心臓を抜き取った)

モーラ「光になれえぇぇぇぇぇっ!!!」

 シュヴァアアアア!!(キメラヴァンプが塵に返った)

モーラ「(心臓を差し出して)さあ、惣太君、浄解を」
惣太 (……俺にどうしろと?)
 

  元ネタ 勇者王ガオガイガー
 

                     (投稿者:クロイツェルさん)


   えぴそーど31 『機嫌』

 モーラとフリッツがアジトにしている洋館にて。

モーラ 「今度、私と同い年の子が結婚することになったの」
フリッツ「……ほぉ」
モーラ 「だから今日はイノヴェルチの拠点を襲撃に行こう」
フリッツ「いつもやってることじゃねぇか……」

モーラ 「うるさいだまれ

フリッツ「…………」

 モーラ、無言でスレッジハンマーを磨く。

フリッツ「…………」
 

                    (投稿者:Hi−waitさん)


   えぴそーど32 『変貌』

 闘いが終わり、建物の中を紅蓮の炎が埋め尽くす。
 俺が焼夷弾で撒き散らした火炎がこの建物にも及んできたらしい。
「モーラ!」
 炎の舌を避けて通りながら、俺は声の限り呼ばわった。
「モーラ、どこだ!? 返事をしてくれ!!」
 この近くにいる。いなきゃおかしい!!
 脳裏に浮かぶ不吉な想像を追い払い、ただ信じて探し続ける。
「……?」
 ふと、何かの気配に足を止めて、振り向く。
 轟々と踊る炎の向こうに、超然と立ちはだかる影。

 ……フリッツ?

 間違いない。あれは廃屋から姿を消したフリッツだ。
 その腕の中には意識を失っているのか、ぐったりと項垂れているモーラの小
さな身体。
 だが……、
 炎の中を抜けて駆け寄ろうにも、俺は足を床に縫い止められたまま、己の目
を疑っていた。
 ……馬鹿な。
 目の前のフリッツが嘲笑うように口元を歪める。
 そして、叫ぶ。

「どうだッ! 惣太ッッ! このオレの美しい肉体わああああッッッ!!」

 黒のビキニパンツ一丁で。
 フロント・シングルパイ・セップス(片手を持ち上げるボディビルのポーズ)
でポージングをキメながら。

「昨日までの貧弱な人間のオレとは違うこの肉体ッッ!! オレは吸血鬼にな
って遂に完璧な肉体を手に入れたんだあああああああああッッ!!」

 今度はリア・セップス(後ろ向きになって筋肉を鼓舞するポーズ)をキメる
フリッツ。なにげに引き締まった尻の肉が動いているし。

「見ろおッッ! 分厚い大胸筋ッッ! 引き締まった後背筋ッッ! 幾重にも
重なった美しさの双棒筋んんんんんんんんッッッッ!!!」

 なんだかその表情はかなりヤバイ方向に恍惚としているし。
 ア○ガードで染めたような異様に白い歯もなんだか。

「んんんんんんんんん〜〜〜ッッ!!
 美しいぃぃッッ! 美しいぞおおおおぉぉッッ!! オレえええッッ!!」

 ワセリンを塗ってもいないのにテラテラと輝く肉体がピチピチと動いて、炎
の紅蓮を映し出して赤銅色に染まる。
 ……うう、気分が悪くなってきた。
 そんな中でフリッツの腕の中のモーラが目を開ける。

「……う、ううん」
「おお、モーラ。目が醒めたか? さあッ、このオレを見てくれええええええ
えええええええええええッッッ!!(暑苦しいまでにギラギラとした目で)」
 

   間。
 

「いやああああああああああああああああああああああァァッッッ!!」
 

 フリッツ、スレッジ・ハンマーで原型を留めぬほどグチャグチャに撲殺。
 

                         (投稿者:西山英志)


   えぴそーど33 『魔館』

 襲撃に言った先で、妖しげな女科学者(諸井)と遭遇した惣太。
 意外な展開にとまどう惣太に、妖しげな女科学者(諸井)はゆっくりと語り
かけた……。

諸井「初めまして、ヴェドゴニア」
惣太「…………」
諸井「あなた……毎日が物足りないんじゃない?」
惣太「……っ!?」
諸井「人間に戻るために毎日闘う日々。でもそれも吸血鬼化が進むにつれてだ
  んだん単純作業と化していく。あなた自信、だんだんそれをつまらなく思
  ってるんじゃない?」
惣太「……だからなんだ?」
諸井「刺激が欲しくない?」
惣太「……なに?」
諸井「あなたにこれをあげるわ。興味があるならそこに来てみなさい……」

 惣太に封筒を渡し、立ち去る妖しげな女科学者(諸井)。
 ゆっくりと封筒を開ける惣太。

手紙(楷書)『絶対来てね〜(はぁと)ここだよぉ!
      (以下、てきとーに書かれた地図。燦月製薬本社、と注意書きが
      ある)
       誰にも言っちゃだ・め・だ・ぞっ♪ ヒミツ――☆』

惣太「……なんだ? なにかの引っかけか?」

 モーラ、フリッツと相談した結果、とにかく敵の出方を見ようということに。
 二人と常に連絡を取りながら地図に従って燦月製薬本社に行く惣太。

鏡子「待ってましたよ、センパイ」
惣太「網野!?」
鏡子「センパイにはここで三人の吸血鬼を調教してもらいます。ノルマをクリ
  アした吸血鬼は先輩のお好きにどうぞ」
惣太「はぁ?」
鏡子「これが、その三人の吸血鬼です」

 惣太に三枚の写真を差し出す鏡子。

 一人目。
 執事っぽいジジイ(ナハツェーラー)。
 二人目。
 いかつい騎士(ギーラッハ)。
 三人目。
 なんかヤバげな目をしたギタリスト(ウピエル)。

惣太「なあ、網野……」
鏡子「はい?」
惣太「帰っていい?」

                      イノヴェルチの館 ―完―

 元ネタ あえぎの館(爆)
 

                    (投稿者:Hi−waitさん)


   えぴそーど34 『相棒』

 月が暗闇の雲に隠れた夜。
 深淵の闇を斬り裂くは、銃声、爆音、そして断末魔。
 暗黒を染めるは、朱色の火線と緋色の血。
 人の血肉を糧として生くる者達と、彼らを狩る者達との闘いは、常に夜に行
われる。

 ふと、雲の合間から月が顔を覗かせ、死闘の場には相応しくない柔らかな光
が地上に降り注いだ。

「ギッ!」

 急に現れた月に目が眩んだか、体勢を崩すキメラヴァンプ。
 時間にしてほんの数秒だったが、その隙をモーラが逃す筈もない。

「ハアッ!」

 大地を踏みしめ、身体を捻るようにしながら愛用の、小さな彼女には似つか
わしくないスレッジハンマーでキメラヴァンプを殴りつけるモーラ。
 しかし、鋼鉄の固まりは空しく空を切る。
 獲物は狩人の一撃を、人間には到底真似できない動きでかわした。

「フリッツ!」
「おう!」

 モーラの叫びに呼応するかのように、物陰からフリッツが飛び出してくる。
 その身に、セーラー服をまとって。
 止まる時間、凍える空気、そして固まるモーラとキメラヴァンプ。

「喰らいやがれぇぇぇっ!」

 フリッツの銃が吼え、キメラヴァンプは一瞬の内に全身を蜂の巣にされる。

「うおぉぉぉっ!」

 弾丸発射時の迸る振動と巻き起こる爆風が、彼のスカートを舞い上がらせた。
 Oh! モーレツ!
 どうやら、すね毛の処理はしていないようだ。
 ちなみに、ソックスの色は紺だ。ちゃんとツボを押さえてある。
 けれども、いくらツボを押さえたところで、所詮女装は女装。
 今のフリッツは、はっきり言って不気味ちゃん様過ぎ。

「どうよ!」

 自慢げに頬を歪め、不敵に笑うフリッツ。
 スローモーションで、舞い上がっていたスカートが元に戻っていく。

 硝煙を吹き飛ばす、冷たい風が吹き抜けた。
 モーラ、おもむろに懐から携帯電話を取り出す。

 ピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッ…。
 トゥルルルルル…。
 トゥルルルルル…。

 相棒に恵まれなかったら、○ー人事、オー○事。

「もしもし?」
『はい、スタッ○サービスです』 
 

                       (投稿者:Foolさん)


   えぴそーど35 『相違』

 私の名はサイス・マスター インフェルノ一の科学者だ。
 自分で言うのも何だが頭脳明晰にして、忠実な手下によってマフィアの間で
も恐れられている――。

サイス「ふん、薄汚いところだ……」
アイン「……マスターに楯突く者は抹消……」
サイス「大衆はブタだ! 無能なブタどもに俺の理想を叩きこみ、支配するの
   だ!」
アイン「……ここが私達の教室のようです」

 ガラリとドアを開けるとそこにたたずむギーラッハ(ド派手鎧着用済み)

サイス「……なんか今、プロレスラーみたいなヤツがいたんだけど、目の錯覚
   かな?」
 

サイス「ふっ、愚劣な貴様らには理解できんだろうが、私には最強の暗殺者フ
   ァントムがついている……」
惣太 「ちょっといいかな?」
サイス「む、何だ……」
惣太 「ウチのゲーム『ヴェドゴニア』だぜ。ファントムなんかいないぞ」
サイス「え……? ヴェドゴニア?」
惣太 「大体さ、お前キャラデザが全然違うじゃねーか。原画矢野口君だろ、
   お前」
サイス「……ホントだ」
 

サイス(……ゲーム……間違えたよ……)
 

                     (投稿者:beakerさん)


   えぴそーど36 『酒乱』

惣太  「よっしゃ、イノヴェルチも倒したことだし、酒でも飲もうぜ!」
フリッツ「駄目だ」
惣太  「なんだよフリッツ、固い事言うなよ。らしく無いなあ」
フリッツ「いや、固い事じゃなくて…モーラがいるから」

惣太  「…ひどい?」
フリッツ「ひどい
 

                     (投稿者:クロイツェルさん)


   えぴそーど37 『警報』

 燦月の施設内に設置されている火災報知器を見つめるウピエル。

ウピエル   「これって見るたびに、押したくなるんだよなあ…」
ナハツェーラー「やめんか!」

 ドン!

ウピエル   「うわあ!」
ナハツェーラー「施設内のどれか一つは、実は自爆ボタンなんだぞ!」
ウピエル   「なにい!」
 

ウピエル   「って、洒落になってないぜ…」
ナハツェーラー「だから、事実なのだよ」
ウピエル   「おい……」
 

                     (投稿者:クロイツェルさん)


   えぴそーど38 『一寸』

 何故か主要キャラが揃って和んでいる。
 

香織「あーあ、もーちょっとおしとやかだったら……」

 喧騒。

香織「弥沙子みたくなれたのに……」

 沈黙。

モーラ「もーちょっと育てばスーパーモデルになれるのに」
惣太 「もーちょっと強ければ超サイヤ人だって勝てるのに」
弥沙子「もーちょっと積極的なら大統領に立候補できるのに」
 

香織「ごめんなさい、ごめんなさぁいッ!」

 元ネタ 私立T女子学園ナリ
 

                     (投稿者:beakerさん)


   えぴそーど39 『嗜好』

「こんなの……変だよ、惣太……」
「そんなことない……綺麗だよ、モーラ」
 すでにランドセルを背負い、黄色い通学帽を被った扇情的な姿で俺の前に立
つモーラ。
 その羞恥のために赤く染まった頬を優しく撫でながら、俺は慣れた手つきで
彼女の胸に名札をつけてやる。
「変だよ、こんなの……惣太、絶対変」
 

   確かに。
 

                   (投稿者:DEEPBLUEさん)


   えぴそーど40 『一言』

弥沙子「惣太さん……私たちの事おいていってしまうんですか」
惣太 「ひとことで言って難しいな」
弥沙子「じゃあ、ふたことで言って」
惣太 「ちょー難しいな」
 

……おそまつ。
 

                         (投稿者:昴河さん)


   えぴそーど41 『○汁』

惣太 「なあモーラ、血液の代わりになるようなものってないのかな?それが
   あれば、もしかして吸血鬼とも共存できるかもしれないだろ?」
モーラ「無い訳じゃ、ないわ」
惣太 「本当か!?」
モーラ「でも、現実的じゃないわね」
惣太 「え?あ、入手が難しいのか」
モーラ「ヨーロッパあたりならともかく、日本では簡単に手に入るわよ。市販
   もされてるわ」
惣太 「じゃあ…」
モーラ「それの製品名は、

              キュー○イの青○

                             って言うの」
惣太 「…俺が間違っていたよ(滝涙)」
 

                     (投稿者:クロイツェルさん)



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